将来の値上がりが難しい郊外マンション

かつての売主相場をまだ諦められず、「いつかはまた上がる」という儚い期待感から郊外マンションを持ち続けている人がいます。大都市の中心部にある駅から徒歩10分以内というマンションなら、交通の便が格段に良く、利便施設も充実しているため、景気に連動して上昇することも考えられますが、残念ながら郊外マンションが値上がりする可能性はほとんどありません。何故なら、郊外マンションはすでに飽和状態に入っていますし、昔に建てられたものは建ぺい率変更により、再建築不可であり、公庫融資を受けられる可能性が無いからです。

現在の相場は、安く売れたらそれが新たな相場になってしまう状況なので、かつてのように自然に上がっていくという理屈は残念ながら成立しません。買い主相場の現在は、今日5000万円で購入した物件が、半年後には4000万円円に下がっているから、先に買った人は失敗したと感じます。人気がなければ売れずに価格が下がるというのが資本主義経済の減速ですから、郊外マンションの資産価値は赤信号が点ってきたといえます。

さらに通勤距離などの経済効率の面からでも客離れは起きており、以前は多少通勤圏から外れていても公団なら人気が高かったのですが、いまや空き部屋だらけという状態です。

近年は高齢者も生活しやすい駅側マンションを好む傾向にあります。将来のことを考えたら、利便性を第一に選んだ方が良いかも知れません。